智歯は最後方に存在する歯で、生える場所がなく一部しか萌出せず横向きに埋まってしまうこともあり、清掃困難で炎症を起こしやすい場合や歯並びに影響を与える時などは抜歯が必要になります。埋まっている場合は、歯肉を切開し、顎骨を削り歯を分割して抜歯する必要があるため、当科では専門的な器材と技術で対応しています。
また、脳血管疾患、心臓疾患、高血圧症、糖尿病など、様々な身体疾患を有し、通常での抜歯が難しい方においては、全身管理下や入院管理下での抜歯も行っています。
診療科・部門
歯科口腔外科
診察について
担当医スケジュール
歯科口腔外科のご紹介
歯科口腔外科では、口腔内、顎骨、顔面に生じる様々な疾患を治療対象としています。中でも、県央医療圏の中で高度医療や救急医療を担う基幹病院の歯科口腔外科として、地域の歯科医院や病院では治療が難しいと考えられる、智歯などの埋伏歯や有病者の抜歯、口腔内や顎骨に生じる嚢胞や腫瘍、歯の脱臼や顎骨骨折などの外傷、顔面や顎骨などに波及した炎症、口内炎や扁平苔癬などの口腔粘膜疾患、唾石症などの唾液腺疾患、顎関節症を主とする顎関節疾患などを中心に治療を行っています。また、口腔がん、口唇口蓋裂などの先天異常、顎変形症などに関しても、新潟大学医歯学総合病院や日本歯科大学新潟病院と連携し治療を行っています。
さらに近年、医科領域の手術やがん治療において、口腔ケアや口腔機能管理を行うことで、誤嚥性肺炎などの合併症が減少し、入院期間も短くなることが明らかとなっています。歯科口腔外科では、院内各部署と協力し、当院で手術や治療を受けられる患者様に対して、かかりつけ歯科医院とも連携した口腔ケアや口腔機能管理にも力を注いでいます。
智歯は最後方に存在する歯で、生える場所がなく一部しか萌出せず横向きに埋まってしまうこともあり、清掃困難で炎症を起こしやすい場合や歯並びに影響を与える時などは抜歯が必要になります。埋まっている場合は、歯肉を切開し、顎骨を削り歯を分割して抜歯する必要があるため、当科では専門的な器材と技術で対応しています。
また、脳血管疾患、心臓疾患、高血圧症、糖尿病など、様々な身体疾患を有し、通常での抜歯が難しい方においては、全身管理下や入院管理下での抜歯も行っています。
口の中や顎骨内には、様々な嚢胞(袋状の病気)や腫瘍が発生することがあります。当科では様々な画像検査等で精査して治療を計画し、適切な治療を行っていきます。必要があれば、入院下にて全身麻酔で手術を行います。病変には必ず病理組織検査を行って確定診断を付けています。
転倒や交通外傷などで、歯が抜けたり、顔面が切れたり、顎の骨が折れることがあります。当科では、可能な限り歯の再植を行って保存に努め、裂創部の縫合処置や骨折の整復治療などの治療も行っています。必要があれば、入院下にて全身麻酔で手術を行います。
院内各部署とも連携し、早期治療と早期社会復帰を目指しています。
う蝕や歯周炎などからの感染による炎症が顔面や顎骨内に広がり、腫れや痛みがでることがあります。口腔や顔面は気道に近いため時に緊急を要する場合や、全身に菌が回る敗血症を引き起こす恐れなどもあります。
当科では、歯科医院などで対応が困難な炎症に対し、点滴で抗菌薬の投与や、膿がたまった部分の切開などの外科処置を行っています。重篤な場合は、入院管理下で、気道管理や栄養管理を行いつつ、手術も含めた消炎治療を行っていきます。
骨粗鬆症やがんの骨転移などの治療で使用される骨吸収抑制薬の影響と口腔内からの感染の修飾により、顎骨に炎症が発生し骨が壊死に進行してしまうことがあります。
骨壊死が進行した場合、壊死骨の除去や顎骨切除などの手術を行うこともありますが、当科では発症予防も重要と考え、院内各科と連携して骨吸収抑制薬を使用する前の口腔内評価を行い、投与期間中の口腔衛生管理も地域の歯科医院と連携して継続し、薬剤関連顎骨壊死の予防に努めています。
口内炎にも種類があります。また口内炎以外にも口腔粘膜には様々疾患が発生し、その病態や原因は多岐にわたります。当科では、必要に応じて血液検査、細菌検査、組織検査などを行って病態を把握して診断し、適切な治療を行っていきます。
口腔内には、唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)で作られた唾液が流出しますが、流出する管の中などに石(唾石)が形成され、唾液の流出障害などが起こることで炎症が生じ口腔内や顔面が腫れることがあります。
当科では、各種画像検査等で評価し、唾石の摘出や溜まった唾液の排出処置、あるいは唾液腺そのものを摘出する手術など、病態に応じて適切な治療を行っていきます。
顎関節疾患の多くを占める顎関節症は、口が開かない、開けると痛む、開けると音がするなどを主症状とし、幅広い年齢層に発症する病態です。顎関節症はその細かな病態の把握が治療を選択するうえで重要となるため、当科では臨床症状やMRIを用いて関節や周囲組織の病態を把握し、マウスピース治療や薬物療法、あるいは関節腔穿刺療法など適切な治療を選択して行っていきます。
また顎関節症以外にも、顎関節脱臼や開口障害への対応も行っています。
舌や歯肉など、口腔のさまざま部位にがんは発生してしまいます。進行度に応じて、手術、化学療法、放射炎治療などが選択されますが、必要に応じて、新潟大学医歯学総合病院や日本歯科大学新潟病院と連携し治療を行っていきます。
がんは早期発見が何よりも重要になりますので、当科では専門的な知見から、がんが疑わしい場合においては常に早期検査に努めています。
口唇口蓋裂などの顔面の先天異常は、出生直後から長期にわたり顔面や口腔内の継続した治療が必要となってきます。病態に応じて、新潟大学医歯学総合病院や日本歯科大学新潟病院と連携し治療を行っていきます。
生まれつきあるいは成長に伴い、顎が出たり曲がったり、かみ合わせが悪くなることがあります。歯科矯正治療のみで改善が見込まれない場合には、顎の骨を手術により移動させる手術を行うことがあります。
病態に応じて手術が必要と判断される場合には、新潟大学医歯学総合病院や日本歯科大学新潟病院と連携し治療を行っていきます。
口腔機能管理とは、歯科医師や歯科衛生士が専門的に行う口腔ケアや口腔衛生指導に加え、言語聴覚士などによる会話、咀嚼、嚥下訓練等で口腔機能を整える総合的な管理です。医科領域で行われる全身的な手術やがん治療の際に口腔機能管理が行われることにより、口腔内細菌が減少して誤嚥性肺炎や創部感染などの合併症が減少するとともに、食事もスムーズになることから回復も早くなり、入院期間が短縮することも明らかとなっています。
また、抗がん剤治療や放射線治療の副作用で出現する口内炎の頻度や程度も、口腔機能管理を整えることで軽減できると言われています。
当科では、院内各部署と協力し、当院で手術や治療を受けられる患者様の合併症減少や早期回復に寄与すべく、かかりつけ歯科医院とも連携した口腔機能管理も行っています。
主な検査・設備
通常の歯科エックス線撮影装置に加え、医科と供用のCT、MRIなどの様々な画像診断装置を用い、口腔内や顎骨内の病変の診断や治療を行っています。
さらに、被ばく線量が少なく、超高解析度で即時撮影が可能な歯科用コーンビームCTも併用し、歯や顎骨内病変の正確な早期診断と治療に役立てています。
また、口腔粘膜疾患等に対し、蛍光観察装置バイオスクリーンを用いて口腔がんの早期発見にも努めています。
その他、一般の歯科医院では難しい血液検査、細菌検査、組織検査なども可能であるため、口腔外科疾患の診断や病態の把握が可能となります。
医師のご紹介
日本口腔外科学会専門医・指導医
日本口腔科学会認定医・指導医
日本顎関節学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医(口腔外科)
日本有病者歯科医療学会認定医
歯科医師臨床研修指導医
日本口腔外科学会認定医