急病者では、症状が明確でなかったり、病気を抱える臓器が明確でなかったりすることが多くあります。このような急病者を、従来の診療科の枠組みを超えて横断的に診療するため、特定の臓器に捉われずに状態を把握するジェネラリスト集団として、適切な診断、治療を行います。
外傷患者では、転倒・転落や交通事故などの負傷はもちろんのこと、病気で具合を悪くした結果、倒れて怪我をされてしまった高齢者なども対象です。また、中毒や環境障害、熱傷などの特殊病態に対しても対応いたします。
診療科・部門
救急科
当科の概要・特色
救急科について
「地域がひとつの病院」のように機能する医療提供体制において、地域の救急外来・集中治療室の構築と運営を担います。軽症から重症まで幅広い分野の患者さんへの診療に貢献し、地域の救急医療に尽力します。専門的な治療が必要な患者さんには、各専門科と綿密に連携をとり最適な医療を提供できるよう取り組みます。
また、消防・救急と連携し地域の病院前医療救護の質の保障(メディカルコントロール)においても、県央地域の中心的役割を担います。災害時には、災害拠点病院として迅速で適切な医療を提供し、被災者の生命をお守りします。
診療部門の使命
救急患者・重症患者に、すみやかに最適なケアを提供します。
目の前のあらゆる救急課題に革新的に挑戦し、環境・プロセスを最適化し続けます。
患者の声に常に耳を傾け、地域住民が安全・安心でwell-beingなくらしを営む県央を実現します。
救急外来(ER)の診療
当科が運営する救急外来はER体制です。"ER"はEmergency roomの略で、救急外来を指す言葉です。わが国では重症患者を対象とする3次救急医療に対して、重症度、疾病の種類、年齢によらず、すべての救急患者に対応する救急体制をER体制と呼称しています。どのような救急患者にも心を配り、科学的根拠に基づいた最良の救急初期診療を提供します。
救急科常勤医のほか、看護師や救急救命士などのメディカルスタッフと連携し、チーム医療を展開します。研修医が救急診療する場合には、必ず上級医の指導のもとで行います。
入院患者の診療
重症患者管理病棟(ICU・HCU)における集中治療管理/ベッドマネジメント、および一般病棟に入院した救急科患者さんの入院診療を行います。Rapid Response System(RRS)の中心的役割を担い、院内急変患者さんの診療も行います。
教育
救急に携わるすべての職員が、お互いの努力を奨励し合い安心して挑戦に取り組めるように心がけます。
指導者と学習者の確固たる信頼関係を築き、学術的かつ実践的に学びあえる環境を作ります。
最新の医学、教育のみならず哲学などの総合的な見地から研鑽に励み、多岐にわたって活躍できる人材を育成します。
主な対象疾患・診療内容
急病者では、症状が明確でなかったり、病気を抱える臓器が明確でなかったりすることが多くあります。このような急病者を、従来の診療科の枠組みを超えて横断的に診療するため、特定の臓器に捉われずに状態を把握するジェネラリスト集団として、適切な診断、治療を行います。
外傷患者では、転倒・転落や交通事故などの負傷はもちろんのこと、病気で具合を悪くした結果、倒れて怪我をされてしまった高齢者なども対象です。また、中毒や環境障害、熱傷などの特殊病態に対しても対応いたします。
ショック、心肺蘇生後、中毒、多発外傷、多臓器不全などの特殊病態や、人工呼吸器管理を要する重症呼吸不全やECMO、IABPを要する循環呼吸不全、急性血液浄化法を要する急性腎不全などの患者さんの集中治療を、他科専門医と協力しながら行います。多職種チームによりPICS(集中治療後の身体/精神機能低下)の予防・治療に努めます。
救急科で入院した患者さんの自宅退院・他院リハビリ転院までの間の入院診療を担当します。院内急変の患者さんの初期診療にRRSのメンバーとして関わります。他科入院の患者さんに対しても他科医師と協力しHospitalistとして診療に参加することがあります。
主な検査・設備
救急外来(ER)は、処置室5床、経過観察室5床、診察室4室を有し、多くの患者の診療を並行して行える設備を整えています。効率的な診療を実現するために、動線と視線誘導を最適化した設計とし、情報のリアルタイムな共有のため積極的なICTの活用にも取り組んでいます。
フロアには放射線部門、内視鏡部門が隣接し、直近エレベーターからは手術室・重症患者管理病棟にも直行可能となっており、患者さんに移動負担なく安全な診療を迅速に提供できるようにしています。
集中治療室設置基準を満たしたICU12床と夜間入院用のHCU8床で入院診療いたします。重症呼吸不全患者さんには、人工呼吸器、NIV、HFNO、V-V ECMOを用いて治療します。重篤な心原性ショックの患者さんにはIABP、V-A ECMOを施行します。心肺停止後などの脳保護目的に目標体温管理療法を行います。肝腎障害、急性薬物中毒、神経疾患、自己免疫疾患患者さんなどには血液浄化法を導入します。
医師のご紹介
救急科専門医・指導医
集中治療専門医
臨床研修指導医
JATECインストラクター
救急科専門医
集中治療専門医
臨床研修指導医
日本DMAT隊員・統括DMAT
ICLSディレクター
ICLSインストラクター
日本泌尿器科学会専門医
Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health修士課程