病変の一部のみを採取、または手術で切除した臓器を顕微鏡で観察します。対象臓器と疾患は様々ですが、当院では消化器系腫瘍(特に大腸癌、胃癌)と乳癌が多くを占めています。
診察について
担当医スケジュール
当科の概要・特色
病理診断科について
病理診断とは、患者さんの体より採取された病変の一部または全部を顕微鏡で観察し、病気の有無や種類を診断することです。病理診断によって治療方針が変わることもあるため、正確な診断が求められています。
例えば腫瘍があった場合には、その種類(良性腫瘍なのか悪性腫瘍なのか)や腫瘍の広がる範囲、転移の有無などを診断します。腫瘍以外でも炎症などの様々な病気が対象となります。
スタッフについて
当科の診断はすべて日本病理学会認定の病理専門医によって行われます。当科では常勤医師1名、非常勤医師1名、新潟大学からの出張医師2名が診断しています。
正確な病理診断のためには適切な標本作製が必要です。当科では4名の臨床検査技師が標本作製に携わっています。また4名とも細胞検査士であり、細胞診断(後述)も担当しています。
主な対象疾患・診療内容
-
組織診断
-
細胞診断
患者さんの体から採取した細胞を顕微鏡で観察し、その細胞が悪性か良性かを調べます。例えば癌で腹水や胸水が生じた時、その中に癌細胞が混じる場合があります。膀胱癌では尿中に、肺癌では喀痰中に癌細胞が出てくることもあります。このような時に胸水、腹水、尿、喀痰などを顕微鏡でみて癌細胞の有無を調べます。子宮癌の検査では、子宮頸部からこすり取った細胞を調べます。
当院では全症例で細胞検査士2名によるダブルチェックを行い、異常が疑われるときは細胞診専門医によるチェックを受けて最終診断します。
-
病理解剖
不幸にして患者さんが亡くなられた場合、ご遺族の承諾のもとにご遺体を解剖させていただくことがあります。生前の診断は正しかったのか、生前にはわからなかった病変の広がりなど、死因を含めて検索します。
-
術中迅速診断
主に癌の手術中に行う組織診断・細胞診断です。検体が提出されてから約30分程度で結果を執刀医に報告します。例えば乳癌では手術中にリンパ節の一部を採取して転移があるかないかを調べ、その結果により残りのリンパ節を摘出するか否かを決定します。
主な検査・設備
-
外部精度管理
日本臨床衛生検査技師会 臨床検査精度管理調査に参加しています。
-
病理組織診断
病理組織診断では標本作製から診断までバーコード管理を行い、各工程の管理や検体取り違えの防止に努めています。
-
自動免疫染色装置
免疫染色用の抗体は約100種類を用意しています。自動免疫染色装置を用いて病理診断の補助やコンパニオン診断を行っています。
-
細胞診断
細胞診断では液状化検体細胞診システムにより検体をバーコード管理し、標準化された標本作製を行っています。安定した細胞像が得られ、検体不適正率が低減されて検出率が向上します。
-
迅速病理診断
迅速病理診断では、従来の凍結法に加え、OSNA (One-Step Nucleic Acid Amplification)法も行っています。これは遺伝子増幅検出装置を用いてリンパ節の癌転移診断する検査です。検査が簡便で迅速であり、リンパ節転移診断が標準化されること、凍結法に比べ労力削減できるなどの利点があります。
医師のご紹介
日本病理学会:病理専門医・病理専門医研修指導医
日本臨床細胞学会:細胞診専門医
医学博士
日本病理学会:病理専門医病理専門医・研修指導医
新潟大学名誉教授