診療科・部門

放射線部

概要・特色

放射線部 診療の紹介

放射線部の仕事というと、「癌の放射線治療」をイメージする方が多いかもしれませんが、かなり多岐にわたります。放射線部の業務は、おもに画像の撮影、画像診断、放射線治療、血管内治療があります。画像といってもいろんな撮影があり、骨や胸部のエックス線写真、乳腺撮影(マンモグラフィー)CT、MRI、核医学検査、血管撮影、骨密度検査がありすべて放射線部で撮影され、撮影は放射線技師が担当し、撮影された画像は放射線部読影専門医が主に読影しています。当院ではCT、MRIは24時間放射線技師が常駐し、いつでも撮影できます。予約外の撮影、また診療時間外での撮影もできます。


放射線治療については、週2回大学から放射線治療専門医が派遣され、医師が作成した放射線治療計画に合致するように放射線技師が機器を操作して放射線を照射しています。当院は県央地区で唯一放射線治療が可能な施設です。また、放射線部読影専門医が常勤しているのも当院だけです。放射線部診療における主な画像検査、インターベンショナルラジオロジーについて紹介します。

主な対象疾患・診療内容

  • 血管撮影、血管内治療

    血管のなかにカテーテルという細い管をいれて血管を撮影する検査です。血管撮影の場合、血管を撮影する検査のみで終了する場合と、撮影後血管内治療を行う場合があります。当院にはAIが搭載された血管撮影装置が導入されており、画像の精度はあがり、被ばく量も少なくなり、より精度の高い血管内治療が可能となりました。


    血管内治療とは、多発外傷の患者様で出血している血管にカテーテルをいれて血管を塞栓したり、破裂した動脈瘤の出血をとめたり、破裂するリスクのある動脈瘤を破裂予防の目的で塞栓したりします。また、肝臓にできた腫瘍に対して腫瘍を栄養している血管に抗がん剤をいれたあとに血管をふさぐ治療も行われています。


    図に示してある画像では、腫瘍は青紫色で、腫瘍を栄養している動脈は緑の線で示されています。これは、AIが腫瘍を栄養している動脈を探して同定したものです。AIがみつけてくれた栄養動脈にカテーテルをいれて、そこから抗がん剤と塞栓物質をいれて治療します。当院放射線部が行っている血管内治療は、肝腫瘍がメインですが、ほかに腹部分枝動脈瘤、肺動静脈瘻、喀血の止血、肝損傷や肝腫瘍の出血の止血、小腸出血の止血等多岐にわたります。肝腫瘍の治療についてご紹介しますと、おもに手術不能な肝細胞癌の治療、全身化学療法で効果がない肝腫瘍を中心に行っています。とくに肝細胞癌の場合は、肝硬変に生じる場合がほとんどであり、肝機能がわるく手術できないことがしばしばあります。血管内治療は治療しても肝臓の負担は軽く、繰り返し治療が可能なので、良い適応となります。なお、放射線部が行っている血管内治療は頭部、頭頚部、心臓、大動脈以外の領域なら対応可能です。

    頭腹部血管撮影装置 頭腹部血管撮影装置
    腹部血管撮影 腹部血管撮影
    腹部血管撮影 腹部血管撮影
  • インターベンショナルラジオロジー(IVR)とは?

    インターベンショナルラジオロジーってなかなか聞きなれない言葉ですが、日本語で言うと「画像下治療」です。画像をみながら、出血や癌、胆石の治療をしたり、狭い血管を広げたり、診断を確定するために組織を採取したりすることをいいます。当院でも放射線部、内科でさかんに行われています。画像をつかっておこなうので、必ず放射線部がかかわります。当院では前述した血管内治療、心臓カテーテル治療、胆管ステント留置、CTガイド下膿瘍ドレナージ、CTガイド下生検など、様々なIVRが行われています。

  • 放射線治療

    放射線治療はがん治療の3大治療法のひとつで外科手術や化学療法(抗がん剤)と並ぶ治療法です。がん細胞が正常細胞に比べて放射線に弱いことを利用して、病巣部に放射線を照射して治療します。手術と同じ局所に対する治療法で、照射された部位にのみ効果を発揮するので、全身への影響がほとんどありません。照射中は放射線による熱や痛みを感じることはありませんが、仰向けの状態で動かずにじっとしていることが必要です。放射線治療の目的は完治を目指す場合と苦痛を緩和する場合の2つに分かれ、単独で行う場合や手術や化学療法と併用されることもあります。

    放射線治療単独の場合、多くは外来通院による治療が可能なため、通常の日常生活を続けることができます。治療期間は1~8週間で、疾患や目的などによって治療日数が変わります。1回の照射にかかる時間はおおむね10~30分で、土日祝を除き毎日行うことが一般的です。

    当院は県央地区で唯一の放射線治療が可能な施設で、近隣医療機関や新潟市内の病院からも紹介患者様を受け入れています。新潟大学の専門医(非常勤)が診察を行っておりますので、放射線治療についてお聞きになりたい方は、かかりつけ医(定期的に受診している病院または医院)へご相談ください。

    ※当院では定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)および全身照射は行っておりません。

主な検査・設備

  • 一般撮影

    一般撮影とはいわゆるレントゲン撮影のことを指し、X線を使って胸部や腹部、骨の撮影を行います。当院の一般撮影はすべてデジタル化しており、撮影した画像はすぐに主治医が確認すること、または各所で画像の供覧が可能です。また全撮影室にFPD(フラットパネルディテクタ)システムを導入しており、従来より少ない被ばくで高画質の画像の取得が可能です。少し前の時代では撮影は終わっても画像の確認や処理に時間がかかってしまっていましたが、FPDシステムの導入により短時間での画像確認・処理が可能となり、待ち時間の短縮化が可能となりました。他にも最新技術を搭載したX線発生装置やタブレット運用を導入したことにより、より効率的に精度よく撮影することが可能です。

    一般撮影
  • ポータブル撮影

    ポータブル撮影とは、我々が患者さんの元へ行き、移動式のX線撮影装置を使って病室や手術室、救急室でレントゲン撮影をすることを言います。
    具合が悪く、患者さんが検査室に来られない場合や、感染症等で隔離が必要な患者さんを主な対象に撮影を行っています。

    当院のポータブル撮影装置は、FUJIFILM社製CALNEO AQROを3台導入しています。非常にコンパクトな装置で従来の装置より自由度が高くなっています。もちろん少ない被ばくで高画質の画像の提供も可能となっています。

    ポータブル撮影
  • 歯科撮影

    歯科診療において、X線を使った撮影は、虫歯や歯周病の診断に欠かせない重要な検査です。目に見えない歯の内部を直接観察することはできませんが、X線によって透過された量の違いを画像として記録することで、虫歯や歯周病の病変を診断することができます。

    歯科撮影には、以下の種類があります。

    [パノラマ撮影]
    歯全体を水平方向に撮影し、虫歯や歯周病だけでなく、顎骨や歯根の状態も観察することができます。

    [デンタル撮影]
    一本または数本の歯を個別に撮影し、虫歯や歯周病の状態を詳細に観察することができます。

    [CBCT撮影]
    歯や顎骨を3D立体的に撮影し、虫歯や歯周病だけでなく、親知らずの状態や顎関節の状態なども観察することができます。

    歯科撮影
  • X線透視

    X線透視は、X線を用いて体内の様子をリアルタイムで観察します。レントゲン写真と異なり、連続的にX線を照射することで、臓器や関節などの動きを動画のように観察することができます。主に、消化器系や泌尿器系、整形外科などの検査に用いられます。

    X線透視検査には、以下のような種類があります。

    [消化管造影検査]
    食道、胃、小腸、大腸などの消化管の動きや形態を観察します。

    [泌尿器造影検査]
    腎臓、尿管、膀胱などの泌尿器の形態や機能を観察します。

    [整形外科領域]
    骨折、脱臼などの整復術や、関節の動きを観察します。

    X線透視
  • CT

    X線を用いて人体の臓器、血管、骨などを撮影する検査です。一般撮影よりも様々な情報を得ることができます。検査時間は10分から30分ほどになります。当院では新規導入した二台のCT装置が稼働しております。

    検査目的によっては、より詳細な情報を得るために造影剤という薬を使用します。注射をして造影剤を体内へ注入してから撮影を行います。 また、ごく稀にではありますが造影剤が体内に入ることで副作用が起こる可能性があります。ヨード過敏症の方や以前造影剤の検査で副作用があった方、腎機能が悪い方は主治医にお申し出ください。

    当院では可能な限り被ばく量の低減に努めておりますので、どうか安心して検査をお受け下さい。

    CT
  • MRI

    MRI(磁気共鳴画像)とは強い磁気と電波を体にあてて撮影する方法です。撮影するときには大きな筒のようなところに入っていただき、撮影中は工事現場のような大きな音がします。撮影時間は撮影部位により異なりますが、だいたい20分前後となります。CTと異なり被ばくがありません。検査部位によってはCTでは全く得られない情報が得られます。脳や脊椎、肩や膝関節、肝臓、胆のう、胆管の病気を調べるときに主に撮影されます。例えば、発症してまだ時間経過していない脳梗塞は、CTでは全くみえず、MRIしか見えない時期があります。通常脳梗塞が疑われた場合、MRIを撮影し、早期に診断し治療に役立てています。

    MRI検査は、以下の点に注意する必要があります。

    [金属類は持ち込めません]
    熱傷や装置の故障の原因となるため、検査前に外す必要があります。

    [妊娠中の女性]
    検査を受ける前に医師にご相談ください。

    [閉所恐怖症]
    トンネル状の装置に入るため、閉所恐怖症のある方は事前にご相談ください。

    [ペースメーカーなどの体内金属]
    ペースメーカーや人工内耳を挿入されている方は原則検査を行えません。検査前に必ず申し出てください。
    その他体内金属の材質によっては検査を受けられないことがあります。

    MRI
  • 核医学検査

    核医学検査は、特定の臓器や組織に集まりやすい性質を持った放射性医薬品を使って、そこから放出される放射線(ガンマ線)をガンマカメラで画像化することにより体内の様子を調べる検査です。この検査は、放射性医薬品の分布や集積量、経時的変化の情報から、臓器や組織の形態だけでなく、機能や代謝状態などを評価することができます。

    当院のSPECT-CT装置は、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)とX線CTが一体となった装置です。形態情報を提供するCTと、機能情報を提供するSPECTを組み合わせることで、より詳細な情報を得ることができます。これにより、核医学画像のみでは集積部位の解剖学的位置がはっきりしない検査に威力を発揮します。

    [骨シンチグラフィー]
    骨の変化をみる検査法。レントゲン写真には写らない代謝、炎症変化を撮影します。全身の骨の検査が可能で、癌の骨転移や骨や関節の炎症などの検出に有用です。

    [心筋シンチグラフィー]
    心臓の筋肉の血流、収縮、代謝、炎症などの機能情報を撮影します、心筋梗塞や狭心症の診断に有用です。

    [脳血流シンチグラフィー]
    脳の血流をみる検査です。脳血管障害、認知症、てんかん、脳腫瘍などの診断に用いられます。

    [その他]
    その他の腫瘍、内分泌(甲状腺、副腎)、消化器、呼吸器などの検査もあります。

    核医学検査
  • マンモグラフィー

    近年、乳がんは増加傾向にあり、9人に1人が罹患するといわれています。乳がんの早期発見に大きく寄与しているのがマンモグラフィです。乳房を挟んでX線撮影する検査で、通常2方向の撮影をします。また当院のマンモグラフィ装置はトモシンセシスという撮影方法も可能です。従来のマンモグラフィ撮影では正常乳腺と重なって見えにくくなる場合があった病変も、この撮影方法によって乳腺の重なりが少ない画像で評価することができます。これにより診断能力が格段にあがりました。

    また当院は乳がんの診療に関して、診断・手術・化学療法・放射線療法と一貫して治療ができる施設ということもあり、放射線部としても力を入れています。乳がんの患者様も年々増え、乳がん診療におけるマンモグラフィの件数も増えました。また、乳がん検診も積極的に受け入れています。なお、マンモグラフィの撮影はすべて女性放射線技師が担当しており、検査が受けやすい環境も整っています。

    マンモグラフィー
  • 心臓カテーテル検査

    心臓をかこむように走行する冠動脈という動脈があり、心臓を栄養しています。 心臓カテーテル検査は、主にこの動脈を造影し、冠動脈が狭くなっていないか、また、詰まっていないかを調べる検査です。 肘や大腿鼠径部をわずかに切開し、血管からカテーテルと呼ばれる細い管を使い、ヨード造影剤を使用して心臓の冠動脈や心腔を造影します。 治療が必要な場合には狭くなっている部位に対しバルーン(ふうせん)による血管の拡張やステントと呼ばれる金属を入れ、狭くなった血管を広げる治療をしています。

    カテーテル検査は、一般的に、外科手術と比べて傷口が小さく、低侵襲で行うことができるため、身体への負担が少ないことも特徴の一つです。心臓カテーテル検査や治療の他にも、ペースメーカー植え込みなどの手技も行っています。

    当院では、フィリップス社製フラットパネル搭載心臓血管撮影装置を使用しており、被ばくの低減にも努めています。

    心臓カテーテル検査
  • 骨密度測定装置

    年齢を重ね、骨の密度が低くなり、骨折しやすくなることを骨粗鬆症といい、当院は病院全体で骨粗鬆症予防・治療に取り組んでおります。当院は、HOLOGIC社製の骨密度測定装置でDEXA法を用い、精度の高い測定を行っています。腰椎、股関節、手関節、さらには全身骨を測ることができます。検査は横になった状態で約1分で終了します。非常に短時間で終了するため、体勢を長時間保つことが難しい患者さんも測定が可能です。

    骨粗鬆症が進み、ちょっとした衝撃で骨折してしまうと日常生活にも大きな支障が出てしまいます。他の検査に比べ、短時間で、気軽にできる検査ですので、骨密度が気になる方は担当医の先生にご相談ください。

    骨密度測定装置
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〒955-0091
新潟県三条市上須頃5001番地1
TEL:0256-47-4700(代表)

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